2011年度の実験実績等

小型有翼実験機および高信頼性飛行制御システムの開発

  • 実験日:2012年3月1日〜6日
  • 実験機関:金沢大学、大阪府立大学、横浜国立大学
  • 実験内容:金沢大学、大阪府立大学及び横浜国立大学は、将来宇宙輸送系に向けた誘導制御技術研究「小型有翼実験機および高信頼性飛行制御システムの開発」に関する実験を町内美成地区の原野で実施しました。全長約80cm、全幅約50cm、重量約0.8kgの発泡スチロール製機体を係留バルーンで高度約100mまで釣り上げた後、落下・滑空させる実験を合計23回行い、様々なデータを取得しました。この実験は、JAXAの依頼を受け、3大学が連携し実験を行っています。得竹准教授(金沢大学)のグループは、これまで大樹町での実験を5回行っており、今回が6回目の実験となりました。得竹准教授は、「大樹町には非常に実験しやすい環境があります。これからも、この環境を生かして積極的に飛行実験を行っていきたいです。」と語っていました。

小型固定翼機 小型固定翼機(2)

 東海大学 学生ロケットプロジェクト

  • 実験日:2012年2月16日〜22日
  • 実験機関:東海大学 学生ロケットプロジェクト
  • 実験内容:東海大学学生ロケットプロジェクト(神奈川県)は、2004年3月からほぼ毎年、自作のハイブリッドロケット打上げを大樹町で実施しています。今回は、昨年3月以来8度目の実験で、2機(26号機、27号機)のロケット打上げを予定し、2月15日から24名が来町しました。17日と18日に1機目(26号機)の打ち上げを予定してましたが、機体不具合などのため、打上中止となりました。19日の午後4時40分に27号機を打ち上げ、到達高度416mに達しました。その後、パラシュートを開傘し、無事着地しました。翌20日に射点から120mの地点に機体を発見し、無事回収しました。データを解析し、今後の研究活動に生かしていきます。

東海大学学生ロケットプロジェクト1 東海大学 学生ロケットプロジェクト2

CAMUI型ロケット打ち上げ実験(2)

  • 実験日:2011年12月16日〜12月17日
  • 実験機関:NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター他
  • 実験内容: 12月16日17時00分にCAMUI型ロケット1機目(推力90kgf)が打ち上げられました。満天の星空の下で打ち上げられ、到達高度520mでパラシュートを開傘し、地上に降下しました。赤・青・緑のLEDをまとった機体は、とてもきれいであり、HASTIC伊藤理事長は、「技術というよりも、芸術であった。」と語っていました。12月17日8時30分には、CAMUI型ロケット2機目(推力200kgf)が打ち上げられました。17日の最低気温は、-20℃...。気温の上昇を待ってから、打ち上げられました。機体は真っ直ぐに高度836mに達し、無事に回収されました。その後、10時45分にCAMUI型ロケット3機目(推力200kgf)が打ち上げられました。過去最大規模の機体(全長4.3m、重量40kg)は、高度695mまで打ち上げられ、こちらも無事に回収されました。(株)カムイスペースワークス代表取締役の植松氏は、「今回の実験がすべて成功したことによって、一つ一つの技術がようやく確立し始めたことが確認できた。いよいよこれから大規模な実験をする準備ができた。大樹町が「宇宙の入口」になっていることは、非常に嬉しく思っている。」と語っていました。また、北海道大学永田教授は、「全ての実験がうまくいき、非常に実りのある実験となった。今後、改良して、さらに高い高度を目指していく。」と語っていました。12時00分には、SNS(株)開発ロケットエンジンを搭載した液体燃料ロケット「ゆきあかり」(推力100kgf)が打ち上げられました。機体は、真っ直ぐに打ち上げられ、高度1001mまで到達し、パラシュートを開傘。その後、徐々に降下し、無事に回収されました。SNS(株)の牧野氏は、「宇宙へ到達するには、大型化が必要となるが、そのためには、安全性が重要となる。今回の実験では、空中の状態を知ることや、地上からの指令のよる姿勢制御などを成功することができ、安全性が高まった。今後は、数キロメートルを目指して、開発・改良を進めたい。」と語っていました。

※左から、「CAMUI1号機(photo by A. Mutou/HASTIC)」「CAMUI2号機」、「CAMUI3号機」、「ゆきあかり」

CAMUI1 CAMUI2 CAMUI3 ゆきあかり

 係留気球を用いた通信実験

  • 実験日:2011年11月21日〜12月12日
  • 実験機関:(株)スカイプラットフォーム
  • 実験内容:(株)スカイプラットフォームでは、係留気球を用いた通信実験を行いました。長さ20m・直径7.5mの飛行船型気球と長さ8mの小型飛行船型気球を高度最大108mまで上昇させ、約1時間滞空させた実験を行いました。実験当日は、天候も快晴で、無風状態という最高の条件での実験となりました。

スカイプラット1 スカイプラット2

飛行音源探査計測試験

  • 実験日:2011年11月7日〜30日
  • 実験機関:JAXA航空プログラムグループ国産旅客機チーム
  • 実験内容:JAXA航空プログラムグループ国産旅客機チームでは、ミツビシ・エアクラフト・インターナショナル社製のMU-300型ビジネスジェット機を使用した、飛行音源探査計測試験が行いました。多目的航空公園滑走路上の直径50mの範囲に198本のマイクを設置し、その上をジェット機が繰り返し飛行し、騒音の音源探査をする実験です。1フライト平均18回の周回飛行を繰り返し、最低高度で60mの低空で滑走路上を飛行しました。天候にも恵まれ、良いデータが取れたようです。

※左から、「滑走路に設置されたマイク」、「滑走路通過」、「MU-300」

ジェット機騒音1 ジェット機騒音2 ジェット機騒音3

飛行ロボット自立制御システムの開発 

  • 実験日:2011年11月4日〜9日
  • 実験機関:電気通信大学 田中研究室
  • 実験内容:電気通信大学田中研究室では、「パラグライダ型飛行ロボット」を利用した自立制御システムの開発研究を行いました。大樹町多目的航空公園を使用しての実験は初めてであり、今実験では約1週間で自立制御による高度飛行と旋回飛行を実現できました。今回の実験結果を基にシステムの改良を行い、来年は飛行距離の延長とビジョンによる情報収集タスク実験の実施を目指します。

電気通信大学(1) 電気通信大学(2) 電気通信大学(3)

視覚情報支援技術評価実験

  • 実験日:2011年10月28日〜11月10日
  • 実験機関:JAXA飛行技術研究センター
  • 実験内容:JAXA飛行技術研究センターは、視覚情報支援技術評価実験を行いました。この実験では、JAXAの実験用ヘリコプタ(MuPAL-ε)を使い、ヘリコプタによる災害救援や捜索救助を、夜間や悪天候時にも安全に実施できるようにするために、パイロットに各種飛行情報(赤外線カメラ・地形データなど)を見せる方法を開発・実験しています。

JAXAヘリ

次世代運航システムDREAMS

  • 実験日:2011年10月25日〜11月7日
  • 実験機関:JAXA運航安全チーム
  • 実験内容:JAXA運航安全チームは、次世代運航システムDREAMS(Distributed and Revolutionary Efficient Air-traffic Management System)の低騒音運行試験を行いました。

計測ライダ飛行試験

  • 実験日:2011年10月14日〜21日
  • 実験機関:JAXA運航安全チーム
  • 実験内容:JAXA運航安全チームは、計測ライダ飛行試験を行いました。従来までは、乱気流検知用としてライダを開発していましたが、今年は対気速度計測用として開発しました。天候にも恵まれ、良い実験データがとれたようです。

JAXA先進形態VTOL無人機飛行実験(2)

  • 実験日:2011年10月13日〜21日
  • 実験機関:JAXA飛行技術研究センター
  • 実験内容:JAXA飛行技術研究センターは、今年2度目となる先進形態VTOL無人機飛行実験を行いました。繰り返し飛行を行い、飛行姿勢や飛行状況の実験を行いました。

VTOL21 VTOL22

JAXA小型無人機飛行実験(2)

  • 実験日:2011年10月5日〜21日
  • 実験機関:JAXA飛行技術研究センター
  • 実験内容:JAXA飛行技術研究センターは、今年2度目となる災害監視無人機システム小型無人機飛行試験を実施しました。この飛行試験では、ハイビジョンカメラやデジタルカメラなどを搭載し、災害監視用としての動作試験や、自動離着陸・航行の実験を実施しました。

小型無人機1 小型無人機2 小型無人機3

無人飛行船実験(2)

  • 実験日:2011年10月3日〜2011年10月14日
  • 実験機関:神戸大学大学院工学研究科
  • 実験内容:神戸大学大学院工学研究科機械工学専攻深尾隆則准教授ら7名は、自律型飛行船ロボットによるレスキュー活動支援システムの構築を目指し、全長約12mの無人飛行船を用いて実施しました。今年度2回目となるこの実験では、飛行を繰り返し、様々なデータ収集などを行いました。 また、飛行船実験と並行して、ティルトロータ型飛行ロボットの飛行試験も行いました。夏は、不具合で実施できませんでしたが、今回は飛行実験を行うことができました。

無人飛行船1  無人飛行船2 神戸大学ティルト

JAXA大気球実験(第2次実験)

  • 実験日:2011年8月30日、2011年9月14日
  • 実験機関:JAXA大気球実験班
  • 実験内容:JAXA大気球実験班は、8月30日(火)4時40分に、小型実験用再突入システムの大気球からの落下試験を目的としたB11-04実験として、平成23年度第二次気球実験の初号機を連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場から打ち上げました。この気球は満膨張体積100,000m3の大気球で、およそ毎分300mの速度で上昇し、2時間20分後に高度37kmに達したところで、アポロ型カプセルを気球から投下しました。カプセルは遷音速に達した後、パラシュートを開傘し海上に緩降下しました。なお、気球及び制御機器部は、8時25分までに回収船によって回収されました。この実験は、アポロ型カプセルの遷音速域での動的不安定性の挙動についての基礎的データ収集するとともに、リアクションコントロールジェットにより制御することを目的としています。今後、データの解析を行います。また、9月14日(水)6時12分には、超薄膜高高度気球の飛翔性能試験BS11-06実験が行われ、平成23年度第二次気球実験が終了しました。
    詳しくはJAXA<トピックス>(B11-04)、JAXA<トピックス>(BS11-06) 

 ※左から、「B11-04放球前」、「B11-04放球時」、「BS11-06放球前」、「BS11-06放球時」

 大気球実験1 B11-04(2) B11-06(1) B11-06(2)

「超小型衛星用地上局パラボラアンテナ」開所式

  • 実験日:2011年8月24日
  • 実験機関:次世代宇宙システム技術研究組合ほか
  • 実験内容:旧大樹駅舎付近の土地に次世代宇宙システム技術研究組合などが建設を進めてた「超小型衛星用地上局パラボラアンテナ」が完成し、開所式が行われました。式典は、大樹町議会議員や関係団体幹部・近隣住民などが出席しました。中須賀真一東京大学教授の挨拶から始まり、伏見悦夫大樹町長の来賓挨拶、徳長政光十勝総合振興局長の来賓祝辞、山口耕司次世代宇宙システム技術研究組合代表理事の施設説明などが行われました。山口代表理事の説明の中では、パラボラアンテナのデモンストレーションも行われました。今後、超小型衛星(5基打ち上げ予定)のデータ受信施設として活用されます。

    ※左から、「夕焼けとアンテナ」、「中須賀真一教授」、「式典風景」

antena1 antena2 antena3

無人飛行船実験 

  • 実験日:2011年7月25日〜8月5日 
  • 実験機関:神戸大学大学院工学研究科
  • 実験内容:神戸大学大学院工学研究科機械工学専攻深尾隆則准教授ら7名は、自律型飛行船ロボットによるレスキュー活動支援システムの構築を目指し、全長約12mの無人飛行船を用いて実施しました。本年で6年目となるこの実験では、天候にも恵まれ、離着陸、飛行を繰り返し実施しました。

kobe1 kobe2

CAMUI型ロケット打ち上げ実験

  • 実験日:2011年7月23日
  • 実験機関:NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター他
  • 実験内容:7月23日早朝にCAMUI型ロケット(推力90kgf級機体)とSNS(株)開発ロケットエンジンを搭載した液体燃料ロケット「なつまつり」が打ち上げられました。打ち上げ当日は、良好な気象条件に恵まれ、6時15分頃に、CAMUI型ロケット1号機が打ち上げられ、到達高度は1,356mに達しました。次に、SNS(株)の「なつまつり」が打ち上げられ、到達高度1,500m(推定)に達しました。最後に、CAMUI型ロケット2号機が打ち上げられ、到達高度は1,300m(推定)に達しました。なお、3機とも海上に向けて打ち上げられ、パラシュートにより海上へ落下し、大樹町漁業協同組合の皆様のご協力を得て、無事に回収に成功しました。CAMUI型ロケットは、打ち上げの目的(無線伝送によるデータ取得・フロート搭載による機体の海上保持・ビーコン探索など)を無事に達成できました。また、SNS(株)の「なつまつり」に搭載したハイビジョンカメラでは、打ち上げから海上落下までの映像がはっきりと撮影されていました。

    ※写真1 CAMUI型ロケットの打ち上げ、写真2 回収後の機体説明を行うCSW代表取締役 植松努氏、写真3 回収後の機体

camui1 camui2 camui3

トライククラブ空界

  • 実験日:2011年7月21日〜8月20日、9月7日〜9月17日
  • 実験機関:トライククラブ空界
  • 実験内容:トライククラブ空界(東京都)代表藤丸昌樹氏他は、多目的航空公園が整備された直後から毎年やってきてフライトを楽しんでいます。滞在中、天気が良い日が少なかったですが、今年は新しい機体を持ち込み、フライトを楽しんでいました。

toraiku 

JAXA小型無人機飛行実験

  • 実験日:2011年7月11日〜21日
  • 実験機関:JAXA飛行技術研究センター
  • 実験内容:JAXA飛行技術研究センターは、災害監視無人機システム小型無人機飛行試験を実施しました。この飛行試験は、災害監視無人機システム研究開発の一環で、固定翼無人機SAFE−F1(全長1.5m、約全幅2.3m、重量約4kg)を持込み、離陸、着陸を繰り返しました。

mujin1 mujin2

JAXA先進形態VTOL無人機飛行実験

  • 実験日:2011年6月18日〜7月8日
  • 実験機関:JAXA飛行技術研究センター
  • 実験内容:JAXA飛行技術研究センターは、6月18日から7月8日に先進形態VTOL無人機飛行実験を行いました。本年の実験は、昨年までの機体から一回り大きな新型機体を導入し、合計7日間の飛行実験を行いました。

vtol1 vtol2

JAXA大気球実験「B11−02実験」(第1次実験)

  • 実験日:2011年6月8日
  • 実験機関:JAXA大気球実験班
  • 実験内容:JAXA大気球実験班は、6月8日(水)5時4分に、エマルションハイブリッド望遠鏡による宇宙ガンマ線の観測を目的としたB11-02実験として、連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場から打ち上げました。この気球は満膨張体積100,000m3の大気球で、高度34.7kmで水平浮遊状態に入り、その後指令電波で切り離し9時43分までに回収船によって回収されました。この実験は、原子核乾板(エマルション)と呼ぶ観測器によって宇宙から飛来するガンマ線をとらえることを目的としています。回収されたエマルションを今後現像し、検証します。
    詳しくはJAXA<トピックス>

B11-02(1) B11-02(2) B11-02(3)

JAXA大気球実験「BS11−02実験」(第1次実験)

  • 実験日:2011年6月1日
  • 実験機関:JAXA大気球実験班
  • 実験内容:JAXA大気球実験班は、超小型タンデム気球の飛翔性能試験を目的としたBS11-02実験として、今年度初号機を6月1日(水)1時23分連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場から放球しました。この気球は、二つの異なる気球を組み合わせ、昼夜で高度を変えながら長時間の飛翔を実現するシステムの原理実証などを目的に行われ、5時17分太平洋上に降下しました。
    詳しくはJAXA<トピックス>

bs11-02
 



問い合わせ先

問い合わせ先 大樹町役場企画商工課航空宇宙推進室推進係
住所 北海道広尾郡大樹町東本通33
電話 01558-6-2113(直通)
FAX 01558-6-2495
メール uchu@town.taiki.hokkaido.jp

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