2020年度実験実績等


観測ロケット「えんとつ町のプペル MOMO5号機」打上げ実験

  • 実施団体:インターステラテクノロジズ株式会社
  • 実施期間:6月13日、14日

 インターステラテクノロジズ株式会社(IST)による観測ロケット「えんとつ町のプペル MOMO5号機」の打上げ実験が実施されました。MOMOは全長10m、直径0.5mで、昨年打上げられたMOMO3号機は民間企業単独としては国内初となる宇宙空間(高度100km)に到達しました。
 再度の宇宙空間到達を目指して打上げられたMOMO5号機ですが、打上げから36.3秒後にノズルの破片が確認され、約65秒後には機体の姿勢が不安定となったため、70秒後にエンジンを手動で緊急停止しました。
 最高高度は11.5kmにとどまり、MOMO3号機に続く高度100kmの宇宙空間到達は叶いませんでした。

 

 

無人コンパウンド・ヘリコプター「K-RACER」飛行試験

  • 実施団体:川崎重工業株式会社
  • 実施期間:7月6日から17日

 川崎重工業株式会社による、無人コンパウンド・ヘリコプター「K-RACER」を使用した飛行試験が行われました。本機は、メインローター(直径4m)のほか、テールローターの代わりに左右両舷に主翼及びプロペラを持つ、コンパウンド(複合型)・ヘリコプターと呼ばれる特殊な形態の試験機で、従来のヘリコプターでは達成できない高速飛行が行えるコンセプトになっています。
 今回の試験では自立制御による安定した飛行を確認することができました。

  

 

大気球実験

  • 実施団体:JAXA 大気球実験グループ
  • 実施期間:6月22日から9月11日

 今年度の大気球実験では、「被膜に網をかぶせたスーパープレッシャー気球の性能評価」と「マルチクロックトレーサーによる大気年代の高精度化」が行われ、どちらの実験も無事終了し、海上に着水した大気球は、大樹町の漁業者のみなさんの協力を得て回収されました。
 また、当初予定されていた「火星探査用飛行機の高高度飛行実験」は、コロナ渦の影響により準備作業を中断することとなったため、「気球VLBI実験」は、実験計画期間中に気球飛翔運用に適した高層風を得られる見込みがなくなったため、また、小型気球実験「極薄ペロブスカイト太陽電池の気球飛翔」は、大樹航空宇宙実験場での噛み合わせ試験中に実験機器の不具合が判明したため、今年度の実施が見送りとなりました。

 

 

宇宙空間(高度100km)到達に向けた技術実証を行う新型無人実験機PDAS-06の地上試験

  • 実施団体:PDエアロスペース株式会社
  • 実施期間:7月18日から8月17日

 PDエアロスペース株式会社は、滑走路で離着陸する宇宙飛行機(スペースプレーン)の開発を進めており、世界初となる、ジェット燃焼モード/ロケット燃焼モード切替エンジンの技術実証及び実用化に向けた開発を行っており、平成28年にも、大樹町多目的航空公園で他実験機体の飛行試験を行っています。
 今回の試験では、通信、操舵、ブレーキなど各システムチェックを行う全機機能試験、低-中速域での地上滑走試験、操舵・機体運用の習熟を目的とした機体運用訓練を行いました。

  

 

観測ロケット「ねじのロケット MOMO7号機」打上げ実験

  • 実施団体:インターステラテクノロジズ株式会社
  • 実施期間:7月18日、19日、25日、26日

 上記日程で打上げ実験を実施していたインターステラテクノロジズ株式会社の観測ロケット「ねじのロケット MOMO7号機」は、機体内の電子機器にトラブルが発生し、原因究明と対策に時間がかかるため、打上げが延期されました。
 今回、トラブルが発生したのは、メインエンジンの点火器部分であり、打上げ直前にメインエンジンの点火器の温度上昇が確認できなかったため、エンジンを着火させる直前に安全確保のため自動停止を行いました。
 今回の結果を受けて、MOMOエンジンの抜本的な改良を行うためのデータ取得を目的とした燃焼試験を11月中旬から12月まで実施しました。

 

小型飛行ロボット自律飛行制御実験

  • 実施団体:電気通信大学情報理工学部 田中研究室
  • 実施期間:9月10日から27日
 近年、災害発生時などの極限環境の中でも空からの活用が期待できる無人航空(Unmanned Aerial Vehicle) が注目されています。同研究室では、スマートにミッションを遂行する自律飛行ロボット「スマート飛行体」の開発に関する研究を行っており、平成23年より大樹町で実験を行っております。
 今年度も引き続き、低速・低高度でも安全に飛行可能な「パラグライダ型 UAV」、低コスト高パフォーマンスな「固定翼型 UAV」、ホバリング飛行が可能な「垂直離着陸無人機 VTOL」の3種類の機体を使用し、自動離着陸や改良したコントローラによる自動制御などの実験を行いました。

  

 

救難ヘリコプタ用状況認識支援システム(SAVERH)センサ・表示システム飛行実験

  • 実施団体:JAXA 航空技術部門
  • 実施期間:10月13日から11月5日

 JAXA航空技術部門では、ヘリコプタを使った災害救援や捜索救助を、夜間や悪天候時にも安全に実施できるようにするため、コクピットやヘルメットのバイザにわかりやすく飛行情報を見せる技術「SAVER」を開発しています。今年度は、赤外線画像のスマート画像強調技術評価や、3DLiDARによる実時間地形モデリング技術評価などの課題に取り組みました。

 

ヘリコプタの安全性・利便性向上

  • 実施団体:JAXA 航空技術部門
  • 実施期間: 10月25日から31日

 様々な地形環境下で救援業務等を行うヘリコプタは、低速・ホバリング時の地形等の地上障害物への衝突事故が多く、衝突を自動回避する技術を確立し、救助活動や物資輸送等におけるヘリコプタの飛行安全を向上させるため、今年度は、ヘリコプタに搭載したセンサから得られたデータによる機体周辺の障害物マップの作成及び障害物との間隔確保アルゴリズムに関するソフトウェア上の動作確認等を行いました。

 

小型無人機の自動飛行・ミッション性能向上技術の研究

  • 実施団体:JAXA 航空技術部門
  • 実施期間:10月26日から11月8日

 「固定翼」や「VTOL」無人機は、マルチコプタに比べ高速かつ長距離/長時間の飛行を可能としますが、操縦や運用の難易度が高いため、現時点では本格的な利用には至っておりません。そこで、本研究において、長距離/長時間飛行用の自動化技術及びミッション飛行性能向上技術の開発・実証を目指し、今年度は、自動化レベル向上用搭載ソフト、アルゴリズムの試作及び飛行試験による評価を行いました。

 

小型超音速実験機関連実験

  • 実施団体:室蘭工業大学
  • 実施期間:11月7日、8日、10日から16日

 室蘭工業大学航空宇宙機システム研究センターで研究・開発中の小型超音速飛行実験機「オオワシ2号」の縮小機体(翼幅0.8m、全長2.4m)を用いた「滑走・離陸試験」及び「機体にはたらく空気力測定実験」が実施されました。

  

 


問い合わせ先

問い合わせ先 大樹町役場企画商工課航空宇宙推進室推進係
住所 北海道広尾郡大樹町東本通33
電話 01558-6-2113(直通)
FAX 01558-6-2495
メール uchu@town.taiki.hokkaido.jp

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