2023年度実験実績等


小型飛行ロボット自律飛行制御実験

  • 実施団体:電気通信大学情報理工学部 田中研究室
  • 実施期間:4月21日から5月14日、8月16日から9月9日

 近年、災害発生時などの極限環境の中でも空からの活用が期待できる無人航空(Unmanned Aerial Vehicle) が注目されています。
 同研究室では、スマートにミッションを遂行する自律飛行ロボット「スマート飛行体」の開発に関する研究を行っており、平成23年より大樹町で実験を行っております。
 今年度も引き続き、低速・低高度でも安全に飛行可能な「パラグライダー型 UAV」、低コスト高パフォーマンスな「固定翼型 UAV」、ホバリング飛行が可能な「垂直離着陸無人機 VTOL」の3種類の機体を使用し、当研究室で設計した制御系の検証や自動飛行用ナビゲーションシステムの検証、上空からの情報収集システムの検証などを行いました。

 

 

HOSPOフル加速体験の実験

  • 実施団体:トランサム株式会社
  • 実施期間:6月10日

 上記日程で、トランサム株式会社によるHOSPOフル加速体験の実験が行われました。
 滑走路を全面使用して、スーパーカーによるフル加速体験を実施するため、試験走行及び安全確認を行いました。
 今後は、大樹町ふるさと納税返礼品予定です。
 

 

JAXA大気球実験

  • 実施団体:JAXA大気球実験グループ
  • 実施期間:6月16日から8月21日

 今年度の大気球実験では、「火星探索用飛行機の高高度飛行試験(MABE2)」と「GRAMS液体アルゴン放射線検出器の気球搭載試験」が行われ、どちらの実験も無事終了し、海上に着水した大気球は、大樹町の漁業者のみなさんの協力を得て回収されました。
 また、小型気球実験では、「新型大気圏突入カプセルの飛行試験(RERA-2・
RERA-3)」が行われ、無事に終了しましたが、当初予定していた「火星飛行機用プロペラ推進器高高度試験(HIGHPER)」は、実験機器に不具合があり、実験計画期間中に解消できる見込みがなくなったため、今年度の実施が見送りとなりました。

 

「空間光通信に関する実験」

  • 実施団体:東海大学
  • 実施期間:9月4日から9月9日
 上記期間に、空中にレーザ光を伝送して行う通信と、通信経路周辺の大気揺らぎの計測実験を実施しました。
 本実験は、学術変革領域研究(A)「散乱・揺らぎ場の包括的理解と透視の科学(散乱透視学)」における「A03-7空間光伝搬通信における散乱・揺らぎ計測と制御」の一環となる活動です。
 実験の成果は、将来の高速通信の技術と、解明・克服できていない散乱揺らぎ場の理解に貢献します。
 
 
 
 

「空中風力発電のための凧制御試験」

  • 実施団体:JAXA航空技術部門
  • 実施期間:9月25日から9月29日
 地球温暖化や不安定な国際情勢から、エネルギの自給自足は日本国内の最重要課題の一つであると言えます。また、高高度における良好な風力を、日本国内で利用可能なエネルギに変換できれば、その課題を解決する手段の一つになり得ます。
 このような背景から、欧米を中心として、索と飛行体、いわゆる凧による空中風力発電の研究が進められていますが、欧米で開発の進む方式は、日本国内で必ずしも利用可能な方式ではありません。
 そこで本研究では、日本国内の「社会受容性」、「気象」、「地形」を考慮した空中風力発電の開発を行い、日本国内において有効な発電手段となり得る空中風力発電の技術開発のため、本試験において空中風力発電の鍵技術である凧の自動制御手法の獲得を目的とし、
 凧制御ユニットによる凧の飛行試験を行いました。具体的には、JAXAハンドリングエリア及び滑走路を、トラック荷台に凧制御ユニット及びウィンチを載せ走行し、凧を牽引しながら制御機構の動作及び制御方法を構築するとともに、索に働く張力及びユニットに働く力を計測しました。
 
 

「小型超音速飛行実験機関連実験」

  • 実施団体:室蘭工業大学
  • 実施期間:11月2日から11月9日
 室蘭工業大学航空宇宙機システム研究センターで研究・開発中の小型超音速飛行実験機「オオワシ」の空力特性把握のための1/3スケール縮小機体の車載走行試験を実施しました。
 本試験では、小型超音速実験機(オオワシ)の空力地面効果( 地面近くでの空力特性の変化)を明らかにするために、種々の機体高さ及びピッチ角において1/3スケール縮小機体にはたらく空気力を計測し、
 さらに、空気流が自動車車体を避けて流れることによる空力変化を推定するために、種々の高さおよび前後位置において空気流傾斜角の計測を行いました。
 
 

 

「Balloon Kiteの低高度係留実験」

  • 実施団体:北海道科学大学
  • 実施期間:11月11日から11月12日
 上記日程で、北海道科学大学によるBalloon Kiteの低高度係留実験が行われました。
 自動車で走行し、Balloon Kiteの低高度係留することに成功しました。
 今後は、強度等を改良して来年度に実験を行う予定です。
 
 
 

ハイブリットロケット打上実験

  • 実施団体:東海大学生プロジェクト
  • 実施期間:3月4日から3月6日
 東海大学の学生ロケットプロジェクトが、美成地区にてハイブリットロケットの打上げ実験を行いました。
 東海大学は、2004年から大樹町で実験を行っており、今回で29機目のロケット打上げとなりました。
 打上げは無事成功し、高度456mまで達しその後、パラシュートを開傘させ射点から北北東493mの地点に落下、機体回収しました。
 今回の実験では、打上げた機体を損傷なく回収するためのパラシュート2段階放出機構を実証し、パラシュート開傘時の機体への衝撃に関するデータを取得しました。
 最終目標である高度100km以上の機体開発に向けた貴重なデータを得ることができました。
 
 

LTPロケット打上げ実験

  • 実施団体:JAXA森田泰弘専任教授
  • 実施期間:3月15日から3月17日
 JAXA森田泰弘専任教授が(株)植松電機に打上げ業務を委託し、LTPロケットの弾道飛行試験を実施しました。
 LTPロケットは、固体ロケット量産化技術の獲得を目指して開発されている革新固体ロケット燃料を使用した小型固体ロケットで、本試験が3回目の弾道飛行試験となりました。
 本試験では、LTPがロケット打上げの加速度環境下で正常に燃焼することを確認しました。
 結果、予定通り最高高度(5,000m)ふきんで パラシュートを開傘、機体データを取得しました。