実験実績一覧(令和6年度)
上空基地局実証実験
- 実施団体:ソフトバンク株式会社
- 実施期間:4月1日から4月30日
ソフトバンク株式会社は、成層圏プラットフォーム(以下、HAPS)と地上基地との周波数共用を実現するヌルフォーミング技術の実証実験に成功しました。
HAPSと地上基地局が同一の周波数帯の電波を利用した通信サービスを提供することで、有限な資源である複数の周波数帯を使うことなく効率的な電波の利用を可能にします。
今後も通信サービスの展開を可能にする周波数共用に係る研究開発を進めていきます。

小型飛行ロボット自律飛行制御実験
- 実施団体:電気通信大学情報理工学部 田中研究室
- 実施期間:4月18日から5月6日、9月3日から9月23日
近年、災害発生時などの極限環境の中でも空からの活用が期待できる無人航空(Unmanned Aerial Vehicle) が注目されています。
同研究室では、スマートにミッションを遂行する自律飛行ロボット「スマート飛行体」の開発に関する研究を行っており、平成23年より大樹町で実験を行っております。
今年度も引き続き、低速・低高度でも安全に飛行可能な「パラグライダー型 UAV」、低コスト高パフォーマンスな「固定翼型 UAV」、ホバリング飛行が可能な「垂直離着陸無人機 VTOL」の3種類の機体を
使用し、当研究室で設計した制御系の検証や自動飛行用ナビゲーションシステムの検証、上空からの情報収集システムの検証などを行いました。

Balloon kiteの低高度係留実験
- 実施団体:北海道科学大学
- 実施期間:5月3日から4日
上記日程で、北海道科学大学によるBalloon kiteの低高度係留実験が行われました。
今回の実験では、単独の魚型Balloon kiteを6つ繋げて係留することに成功し、繋がっている魚型Balloon kiteが風速により係留索の取り付け位置を自動調整する仕組みの必要性が明らかとなりました。


JAXA大気球実験
- 実施団体:JAXA大気球実験グループ
- 実施期間:5月20日から8月31日
今年度の大気球実験では、「成層圏における微生物捕獲実験(Biopause V)」が行われ、無事実験は終了し、海上に着水した大気球は、大樹町の漁業者のみなさんの協力を得て回収されました。
また、小型気球実験では、「薄殻エアロシェル大気突入カプセルの自由飛行実験(RERA-4)」、「レーダー周波数比較による一般相対論の高精度検証に向けた基礎実験」、「火星飛行機用プロペラ推進器の高硬度試験(HIGHPER)」が行われ、全ての実験が無事に終了しました。
しかしながら、当初予定していた「皮膜に綱をかぶせたスーパープレッシャー気球の飛翔性能評価実験(B24-02)」と「改良型クライオサンプラー性能実証試験(B24-03)」は、実験機器の不具合や気象条件が気球気象に適合する機会が得られず、実験計画期間中に解消できる見込みがなくなったため、今年度の実施が見送りとなりました。
「上空パイロットと地上管制者との臨時通信実験」
- 実施団体:トランサム株式会社
- 実施期間:6月11日から6月12日
「インフレ―タブル型バルーンカイトの係留安定性能試験」
- 実施団体:北海道科学大学
- 実施期間:10月11日

「小型超音速飛行実験機関連実験」
- 実施団体:室蘭工業大学
- 実施期間:11月26日から12月3日

ハイブリットロケット打上実験
- 実施団体:東海大学生プロジェクト
- 実施期間:3月7日から3月9日
東海大学の学生ロケットプロジェクトが、美成地区にてハイブリットロケットの打上げ実験を行いました。
東海大学は、2004年から大樹町で実験を行っており、今回で29機目のロケット打上げとなりました。
打上げは無事成功し、高度408メートルまで達しその後、パラシュートを開傘させ射点から北東524メートルの地点に落下、機体回収しました。
今回の実験では、 到達高度の計算や空力解析に役立てようと、より正確な速度を測るためのピトー管を新たに搭載したほか、パラシュートの機能に関するデータを取得しました。
最終目標である高度100キロメートル以上の機体開発に向けた貴重なデータを得ることができました。

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更新日:2025年03月24日