2013年度実験実績等
小型ロケット打上げ実験
- 実験日:平成26年3月14日
- 実験機関:東海大学学生ロケットプロジェクト
- 実験内容:東海大学学生ロケットプロジェクトのメンバーは、3月14日、大樹町内の原野でハイブリッドロケットの打上実験を実施しました。大樹町での実験は昨年度に引き続き10度目となります。
今回は、パラシュート放出用回路の実証、大型エンジン開発に向けたエンジンの技術実証を目的に打上実験が行われました。機体は全長2.3mで、燃料にはワックス燃料、酸化剤に亜酸化窒素が使用されています。ロケットは予定通り打上げられ、高度約900mまで到達した後、パラシュートが展開され、無事に回収されました。
無人ヘリコプターの寒冷地試験
- 実験日:平成26年2月23日〜2月25日
- 実験機関:ヤマハ発動機(株)
- 実験内容:ヤマハ発動機(株)は、航空公園で、無人ヘリコプターを用いた寒冷地試験を実施しました。 試験に使用された機体は、同社製の無人ヘリコプター(全長約3.7m)で、農薬散布など様々な場所で使用されています。 今回は、低温環境が飛行制御に与える影響や負荷重量の限界を確認するための試験が実施され、気温が下がる早朝から試験飛行が実施されました。
無人機を用いた探索試験
- 実験日:平成26年2月8日〜2月21日
- 実験機関:(株)IHIエアロスペース
- 実験内容:(株)IHIエアロスペースは、航空公園等で無人飛行機を用いた探索試験を実施しました。
この試験は、「i-Ball」など宇宙空間から地球へ帰還する機器の探索を、従来の小型ビジネスジェットから、低コストで探索できる無人機に変えて運用可能であるか検証するために実施されました。
試験では、i-Ballに見立てた被写体を洋上に浮かべ、あらかじめ設定した経路上に無人機を飛行させて被写体を探索し、上空から被写体を撮影する試験を行いました。
i-Ballは同社で開発され、当町では開発に係る落下実験や海上通信実験、そして世界初の快挙となったデータ受信実験が行われ、大樹町はまさに、「i-Ballが育った町」です。
同社では、今後も同様の試験を数度実施する予定です。
小型無人飛行機を利用した無線伝送実験
- 実験日:平成25年11月16日〜11月21日
- 実験機関:(独)情報通信研究機構(NICT)
- 実験内容:(独)情報通信研究機構(NICT)は、大樹町多目的航空公園で「小型無人飛行機を利用した無線伝送実験」を実施しました。本実験では、災害時において地上でのネットワークが不能となった地域との通信を確保するシステム構築のための実験を行い、今回は、約20km離れた地上局間で小型無人航空機に搭載した中継機を経由したデータ伝送を確認しました。この技術は、上空に飛行させた無人機を介す事でネットワーク不能地域との通信網を確保しようとするもので、地上でのネットワークに代わるシステムとして期待されています。またその他にも、冬山での遭難者救助に利用可能な、地上のどこでどんな電波が発せられているのか上空から確認するための実験や、動物の行動経路などを追跡するための実験も実施されました。今回の実験について、NICTワイヤレスネットワーク研究所 滝沢主任研究員は、「小型無人航空機は、今後、災害後の情報収集や救難捜索など、多くの人たちに安心・安全を届けられる分野へ利用されることが期待されています。今回の通信実験では、その礎となる成果を多く得ることができました」と語っていました。
無人飛行機の飛行実験
- 実験日:平成25年11月11日〜11月15日
- 実験機関:X-TREME COMPOSITE JAPAN
- 実験内容:X-TREME COMPOSITE JAPANは、大樹町多目的航空公園で「無人飛行機の飛行実験」を実施しました。今回は、通信テストなどを行い自動制御のための実験が行われました。本実験では、水平離発着による飛行実験が行われましたが、今後は、垂直離発着ができるよう開発を進め、来年までの完成を目指しています。
4発ティルト翼VTOL小型技術実証機飛行実験
- 実験日:平成25年10月7日〜10月12日
- 実験機関:JAXA
- 実験内容:宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、大樹町多目的航空公園にて、「4発ティルト翼VTOL機の飛行実験」を実施しました。本実験は今年で5年目の実験実施となります。今年は昨年の機体よりも小型化(全長1.1m、全幅1.4m、重さ4.6kg)した機体を使用し昨年までのシステムを活かし、有人機開発へ向けた基本制御や安全性を向上するための飛行評価のためデータを取得しました。来年からは連携する大学が開発した制御則を取り入れ実験を実施する予定です。実験責任者であるJAXA村岡氏は、「VTOLの能力を最大限に活かす技術として成熟につなげたい」と語っていました。
災害時の情報収集を目的とした無人航空機自律飛行制御実験
- 実験日:平成25年9月27日〜10月8日
- 実験機関:神戸大学・消防研究センター
- 実験内容:神戸大学と消防研究センターが合同で、「災害時の情報収集を目的とした無人航空機自律飛行制御実験」を実施しました。この実験は、災害現場での被災地状況把握や要救助者発見などの情報収集を行うためのシステムを確立するために実施されました。本実験では、飛行機とヘリコプターの特性を合わせ持つティルトロータと呼ばれるタイプ・飛行船タイプ・複数のプロペラからなるマルチコプタータイプの3種類の実験機が使用され、自動でのホバリングや離発着などがテストされました。取得したデータは解析を進め、安定して飛行できる信頼性の高いシステムの確立のために活用されます。
世界新記録更新! 超薄膜高高度気球の飛翔性能試験
- 実験日:2013年9月20日
- 実験機関:JAXA大気球実験室
- 実験内容: 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、大樹町多目的航空公園にて、「超薄膜高高度気球の飛翔性能試験」を実施しました。気球は高度53.7kmまで上昇し、気球到達最高高度の世界新記録を樹立しました。これまでの記録は、2002年5月に当時の文部科学省宇宙科学研究所(後にJAXAに統合)が三陸大気球観測所(岩手県大船渡市)で放球した超薄膜高高度気球(厚さ3.4ミクロン(1000分の3.4ミリ))の到達高度53.0 kmで、11年振りに自身の持つ記録を更新したことになります。本実験の気球は、厚さ2.8ミクロンのポリエチレンフィルムで作られています。これは世界で最も薄い気球用フィルムで、JAXAが新たに開発したものです。非常に軽いフィルムを使う事で、これまで不可能だった高さを飛翔する気球が作られました。
凧の基本特性の計測実験
- 実験日:2013年9月2日〜9月10日
- 実験機関:東京大学生産技術研究所
- 実験内容: この実験は、長期間の金星探査を行える可能性がある凧を利用した新しい探査システムについて、シュミレーションモデルの検証とチューニングに使用するための基礎的なデータの取得を目的に実施されました。かつて、バルーンを使用した金星探査は実施されましたが、観測時間の大幅な増加は難しく1度の観測で終了しています。一方,凧の場合はヘリウムガスが不要であり,風力発電も可能である事から、観測時間の大幅な増加が期待できます。今回は、3種類の凧を使用して「車の牽引による飛行実験」と「係留気球からの降下実験」を実施し各種データの取得を行いました。
小型ロケット(すずかぜ、CAMUI-500p)打上実験
- 実験日:2013年8月10日
- 実験機関:SNS株式会社、NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)
- 実験内容:平成25年8月10日、午前7時53分に、ライブドア元社長の堀江貴文氏が創業者となる「SNS株式会社」(東京都港区)は、大樹町浜大樹の防衛省エンジン試験場跡地から、小型液体燃料ロケット「すずかぜ」の打上実験を行いました。また、同日午前11時45分には、同じ射場から、「NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)」(札幌市)の開発する道産ハイブリッドロケット「CAMUI-500p」の打上げを行いました。両ロケットは、予定通り打ち上げられ、過去の実績を上回るデータを取得できました。
騒音大気伝搬特性計測実験
- 実験日:2013年7月6日〜7月21日
- 実験機関:JAXA
- 実験内容:平成25年7月6日から7月21日まで、大樹町多目的航空公園において、JAXA DREAMSプロジェクトチームによる「騒音大気伝搬特性計測実験」が行われました。この実験は、航空機から発生した騒音が、地上でどのように聞こえるかを予測するモデルを構築するためであり、昨年に引き続き係留気球を使用して実施しました。航空公園では、係留気球と地上にそれぞれ設置したスピーカーから音を発し、上空と地上の双方向での騒音の伝わり方を計測しました。昨年11月にも同様の計測を実施しましたが,今回は昨年とは異なる気象条件(気温の高度分布)の下で、データの更なる拡充を目指し実験を実施しました。
「はやぶさ2」レーザ高度計(LIDAR)フィールド試験
- 実験日:2013年5月27日〜5月31日
- 実験機関:JAXA
- 実験内容:平成25年5月27日から5月31日まで、大樹町多目的航空公園において、「はやぶさ2」レーザ高度計(LIDAR)フィールド試験が行われました。 「はやぶさ2」は日本国民に感動を与えたあの「はやぶさ」の後継機として、2014年中の打上げを目指し開発が進められています。大樹町では、対象天体(名称「1999JU3」 地球と火星の間を周っている小惑星。全長最大1km弱)に接近・着陸するために必須である「レーザ高度計」のフィールド試験を実施しました。レーザ高度計は、対象天体に向けレーザを発射し、天体表面で散乱して帰ってくるレーザ光を検出します。このときのレーザ光の往復時間を測定することによって、探査機と天体表面との距離(高度)を測定する装置です。写真左上に見えるレンズはレーザの出射口で、ほぼ中央にある大きな望遠鏡は小惑星から反射してくるわずかな光を検出器に集めるための反射望遠鏡です。また、このレーザ高度計は小惑星の形状や地質の測定にも活用されます。
第一次気球実験(BS13-04)
- 実験日:2013年5月25日
- 実験機関:JAXA大気球実験室
- 実験内容:平成25年5月25日(土)午前1時51分に、3号機BS13-04が打上げられました。この実験では、スーパープレッシャー(SP)気球(満膨張体積10m3)とゴム気球を連結した「タンデム気球」を使用しました。皮膜に網をかぶせる手法で製作されたSP気球は、高耐圧を軽量で実現し、大重量の観測装置を吊下げて長時間飛翔させることが可能な飛翔体です。網をかぶせたSP気球の性質や、2つの気球を組み合わせた時の飛び方を調査することを目的に実施されました。今回の飛翔試験では、日照前と日照後にまたがるよう飛翔させた事により、昼夜による気球の高度変化(飛び方)のデータを取得する事に成功しました。また、網をかぶせた気球が体積300,000m3の大型SP気球で求められる強度を有することが確認できました。JAXAでは、今後、大型のSP気球の開発とともに昼夜で高度を変化させながら長時間飛翔できるタンデム気球の開発を進めていく予定です。
第一次気球実験(BS13-02,BS13-03)
- 実験日:2013年5月15日
- 実験機関:JAXA大気球実験室
- 実験内容:平成25年5月15日(水)午前4時50分に、平成25年度第一次気球実験の初号機BS13-02(満膨張体積200m3のゴム気球)が打ち上げられ、その後、午前5時41分に2号機BS13-03(満膨張体積10,000m3の薄膜気球)が打上げられました。今回の実験では、地表付近から上部成層圏にかけてのオゾン高度分布と大気重力波の高度毎の特徴を明らかにすることを目的として実験されました。本実験で、高度43kmの上部成層圏領域までの大気の観測に成功しました。上部成層圏のオゾンを直接測定できる観測器は他にはなく、これらの領域のオゾン変動を調べる貴重なデータを得ることができました。
平成25年度実験計画発表(JAXA)
- 実施日:2013年5月10日
- 実施機関:JAXA
- 実施内容:大気球指令管制棟において、平成25年度中の大樹航空宇宙実験場における実験計画等の説明会を開催しました。大気球実験に関しては宇宙科学研究所大気球実験室 吉田室長から、飛行実験などその他実験に関しては航空本部飛行技術研究センター 柳原センター長からそれぞれ実験概要の説明がありました。 大気球実験は、今年度7実験を予定していて、第一次実験は5月上旬から6月下旬頃まで、第二次実験は7月下旬から9月下旬頃の期間で開催されます。飛行実験は、ティルト翼VTOL機安全性向上技術研究などの実験を、その他の実験としては、はやぶさ2レーザ高度計の確認試験が行われます。
自律飛行ロボットの飛行制御実験
- 実験日:2013年5月1日〜5月7日
- 実験機関:電気通信大学 田中研究室
- 実験内容:電気通信大学田中研究室では、昨年9月の実験に引き続き「飛行ロボットの自律飛行制御実験」を実施しました。今回は、携帯電話を機体に搭載し実験を行いました。携帯電話を利用する事により、携帯回線を使用して携帯カメラで撮影した画像を送る事が可能になります。また、GPS機能も付帯していることから、事前に登録した地点で写真を撮影することも可能になります。今回の実験では、この携帯電話を利用した試験を目的に実験が行われました。
問い合わせ先
問い合わせ先 | 大樹町役場企画商工課航空宇宙推進室推進係 |
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