2019年度実験実績等


小型飛行ロボット自律飛行制御実験

  • 実験団体:電気通信大学情報理工学部 田中研究室
  • 実験期間:4月26日から5月9日、8月7日から27日 

 近年、災害発生時などの極限環境の中でも空からの活用が期待できる無人航空(Unmanned Aerial Vehicle)が注目されています。 同研究室では、スマートにミッションを遂行する自律飛行ロボット「スマート飛行体」の開発に関する研究を行っており、平成23年より大樹町で実験を行っております。
 今年度も引き続き、低速・低高度でも安全に飛行可能な「パラグライダ型 UAV」、低コスト高パフォーマンスな「固定翼型 UAV」、ホバリング飛行が可能な「垂直離着陸無人機 VTOL」の3種類の機体を使用し、自動離着陸や改良したコントローラによる自動制御などの実験を行いました。

   

 観測用ロケット「宇宙品質にシフト MOMO3号機」打上げ実験

  • 実験団体:インターステラテクノロジズ株式会社
  • 実験期間:4月30日、5月2日、4日
 インターステラテクノロジズ株式会社(IST)による観測ロケット「宇宙品質にシフト MOMO3号機」の打上げ実験が実施されました。MOMOは全長9.9m、直径で0.5mで民間企業単独では国内初の宇宙空間(高度 100km)を目指して打ち上げられました。打上げ実験は平成30年6月30日に続き3回目となります。
 5月4日午前5時45分、多目的航空公園内に設置したパブリックビューイング会場で約1,317人の観客が見守るなか、カウントダウンとともに発射。発射後2分間のエンジン燃焼で高度40kmまで上昇し、打ち上げから約4分後には、国内では民間企業単独開発・製造したロケットとしては初となる高度100kmの宇宙空間に到達しました。

 

航空機運航支援システム開発のための飛行試験

  • 実験団体:ナビコムアビエーション株式会社
  • 実験期間:5月20日、7月22日から26日、9月17日から20日、10月5日、6日

 7月から10月にかけて、GPSや衛星通信を利用した航空機運航支援システムを開発しているナビコムアビエーション株式会社が、モーターグライダーを使用した飛行実験を行いました。
 同社は、集中管理型消防防災ヘリコプタ動態管理システム「D-NET」などの開発に携わっており、その機能のいくつかを民間技術移転により実装した航空機運航支援システムを開発しています。今年度は、新たに航空機だけでなく車両の動態も把握できるように開発したシステムの有効性や操作性を確認するため、モーターグライダーを使用した実証実験を行いました。

 太陽電池装備無人航空機の飛行試験

  • 実験団体:JAXA×スカパーJSAT×東海大学
  • 実験期間:8月18日から24日、9月21日から27日

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」を受託し、3機関が共同で研究・開発を進めている「衛星通信を利用するドローンの運航管理システム」を搭載した無人航空機の飛行試験を行いました。

大気球実験

  • 実験団体:JAXA 大気球実験グループ
  • 実験期間: 6月18日から8月10日

 今年度の大気球実験では、「成層圏における微生物捕獲実験 Biopause3」と「極薄ペロブスカイト太陽電池の気球飛翔」が行われ、どちらの実験も無事終了し、海上に着水した大気球は、大樹町の漁業者のみなさんの協力を得て回収されました。
 また、当初予定されていた「マルチクロックトレーサーによる大気年代の高精度化」は、気球飛翔に必要なヘリウムガスが国内での供給不足により十分な量を確保することができず実施が見送りとなりました。

 

観測ロケット「ペイターズドリーム MOMO4号機」打上げ実験

  • 実験団体:インターステラテクノロジズ株式会社
  • 実験期間:7月20日、27日
 5月4日に打ち上げられ、インターステラテクノロジズ株式会社としては初となる宇宙空間到達を果たした観測ロケット「宇宙品質にシフトMOMO3号機」に引き続き、観測ロケット「ペイターズドリームMOMO4号機」の打上げ実験が7月27日に実施されました。
 多目的航空公園内に設置したパブリックビューイング会場で約800人の観客が見守るなか、午後4時20分に打ち上げられたMOMO4号機は、エンジンの噴射音を響かせながら上昇していき、雲の中に入るまでの間、パブリックビューイング会場からもはっきりと目視することができました。
 しかし、発射後約64.3秒後に機体搭載されたコンピュータが異常を感知し、エンジンを自動で緊急停止したため、連続での宇宙空間到達はかないませんでした。原因として、当日の気象条件由来の静電気や雷等による搭載機器の故障や機体内部の振動等の過酷な環境においてケーブル・コネクタ脱落による電源等の切断が疑われ、5号機に向けて改善が行われました。

 

 警戒監視能力向上実験

  • 実験団体:防衛装備庁航空装備研究所
  • 実験期間:10月10日から11月2日
 警戒監視を行うための無人航空機システムや赤外線センサによる目標探知機能など搭載した航空機の飛行試験を実施しました。
 

エラーマネジメント技術の研究・状況認識支援技術の研究

  • 実験団体:JAXA 航空技術部門
  • 実験期間:10月19日から11月7日
 JAXA航空技術部門では、ヘリコプターを使った災害救援や捜索救助を、夜間や悪天候時にも安全に実施できるようにするため、コクピットやヘルメットのバイザにわかりやすく飛行情報を見せる技術「SAVER」を開発しています。今年度は、3DLIDARによる近接障害物の検知やセンサ画像のスマート画像処理技術評価などの課題に取り組みました。
 
 
 

 小型無人機の安全性・運用性向上技術の研究

  • 実験団体:JAXA 航空技術部門
  • 実験期間:11月11日から22日
 放射線モニタリング無人機システムと合成開口レーダ(SAR)を搭載した小型無人飛行機の安全性・運用性の向上を図るため、飛行試験による評価およびデータ収集が行われました。
 

ヘリコプタの安全性・利便性向上

  • 実験団体: JAXA 航空技術部門
  • 実験期間:10月28日から11月1日
 様々な地形環境下で救援業務等を行うヘリコプタは、低速・ホバリング時の地形等の地上障害物への衝突事故が多く、衝突を自動回避する技術を確立し、救助活動や物資輸送等におけるヘリコプタの飛行安全の向上させるため、ヘリコプタにレーザを用いたセンサを搭載し、機体周辺の障害物を検知する機能の飛行評価を行いました。
 

小型超音速実験機関連実験

  • 実験団体:室蘭工業大学
  • 実験期間:11月16日、17日、12月1日から7日
 室蘭工業大学航空宇宙システム研究センターで研究・開発中の小型超音速無人実験機「オオワシ2号」の縮小機体(翼長0.8m、全長2.4m)による、「機体にはたらく空気力測定実験」および「滑走・離陸試験」が実施されました。
 

 観測ロケット「MOMO5号機」打上げ実験

  • 実験団体:インターステラテクノロジズ株式会社
  • 実験期間:12月29日から1月3日
 上記期間内で打ち上げを予定していたインターステラテクノロジズ株式会社の観測ロケットMOMO5号機は、1月2日の打上げ準備中に機体内の電子機器にトラブルが発生し、原因究明と対策に時間がかかるため、期間内での打ち上げは延期されました。
 今回、トラブルが発生したのは、機体内の電子機器を結ぶ通信経路で、液体酸素充填中に飛行中の姿勢制御等に使われている通信系統にエラーが検出され、飛行の安全に影響が及ぶ可能性があることや電子機器自体にもトラブルの恐れがあったため打上げの延期を決定しました。
 

問い合わせ先

問い合わせ先 大樹町役場企画商工課航空宇宙推進室推進係
住所 北海道広尾郡大樹町東本通33
電話 01558-6-2113(直通)
FAX 01558-6-2495
メール uchu@town.taiki.hokkaido.jp

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