2018年度実験実績等
低融点熱可塑性固体推進薬(LTP)ロケット飛行実証試験
- 実験団体:株式会社植松電機
- 実験期間:3月7日午前11時00分
株式会社植松電機とJAXA、北海道宇宙科学技術創成センターが共同で開発する低融点熱可塑性固体推進薬(LTP)を用いたロケットの打ち上げ実証実験が行われました。
LTPとは、従来の固体ロケット推進薬とは違い、チョコレートのように再成型が可能で、モーターケースへの再充填や残った推進薬を再利用することができるほか、小規模な製造施設での少量連続製造・保管が可能なため、抜本的な製造コストの低下が期待されています。
打ち上げられたロケットは全長約2m、重量13kgで、打ち上げから16秒後に高度818mまで到達し、パラシュートを展開、機体は無事回収され、実験は成功に終わりました。
観測用ロケット「MOMO」3号機エンジン統合燃焼実験
- 実験団体:インターステラテクノロジズ株式会社
- 実験期間:12月28日、1月12日、3月1日
今回の実験は、実験用の機体を立てて固定した状態で行う「縦吹き」で、高度100kmを目指す打上げ実験時と同様の120秒間の燃焼に成功しました。
統合燃焼実験は、12月28日に初めて2秒間の燃焼実験を行い、1月の燃焼実験では、エンジン点火後の機体制御を含めた推進系の動作確認を行いました。
3回目となる3月の燃焼実験では、ロケットの先端部「ノーズコーン」も取り付け、搭載した電子機器の振動データを取得した。3号機関連の大きな実験は今回で最後となります。
機体は現在制作中で、今春の打上げを目指して順調に開発が進んでいます。
室蘭工業大学 飛行機模型にはたらく空気力の計測実験
- 実験団体:室蘭工業大学
- 実験期間:11月28日から12月2日
室蘭工業大学航空宇宙システム研究センターで研究・開発中の小型超音速無人実験機「オオワシ2号」の縮小機体(翼長0.8m、全長2.4m)による、「機体にはたらく空気力測定実験」および「滑走・離陸試験」が実施されました。
機体にはたらく空気力測定実験では、ワゴン車の屋根上にオオワシ2号縮小機体を設置し、滑走路上を走行して機体にはたらく空気力の計測を行いました。
また、滑走・離陸試験では、オオワシ2号縮小機体を滑走路上で自走させ、走行安定性の検証を行いました。
オオワシ2号は、大気中を高速で飛行するための基盤技術を研究・開発し、それらの技術を飛翔体システムとして飛行実証することを目的として開発されており、2020年の初飛行に向けて機体の開発中です。
小型無人機の安全性・運営性向上技術の研究
- 実験団体:JAXA航空技術部門
- 実験期間:6月4日から6月15日、11月14日から11月24日
放射線モニタリング無人機システム(UARMS)と航空機搭載映像レーダ(SAR)を搭載した小型無人飛行機(UASAR)の安全性・運用性の向上を図るため、飛行試験による評価およびデータ収集が行われました。
エラーマネジメント技術の研究・状況認識支援技術の研究
- 実験団体:JAXA航空技術部門
- 実験期間:11月2日から11月15日
JAXA航空技術部門では、ヘリコプターを使った災害救援や捜索救助を、夜間や悪天候時にも安全に実施できるようにするため、コクピットやヘルメットのバイザにわたかりやすく飛行情報を見せる技術「SAVER」を開発しています。
航空機運航支援システム開発のための飛行試験
- 実験団体:ナビコムアビエーション株式会社
- 実験期間:7月22日から7月25日、9月8日から9月14日、10月22日
7月から10月にかけて、GPSや衛星通信を利用した航空機運航支援システムを開発しているナビコムアビエーション株式会社が、モーターグライダーを利用した飛行実験を行いました。
昨年度、町が実施した宇宙関連企業を誘致するモニターツアーに参加していただき、同ツアー参加企業では初の実験利用となりました。
同社は、総務省消防庁が導入している集中管理型消防防災ヘリコプター動態管理システム「D−NET」などを開発しており、今回は、現在開発中の新機能を備えたシステムの有効性や操作性を確認するため、モーターグライダーを用いての実証実験を行いました。
無人航空機の飛行試験
- 実験団体:株式会社テラ・ラボ
- 実験期間:8月27日から8月31日
中部大学発のベンチャー企業、株式会社テラ・ラボが開発中の長距離飛行が可能な小型無人航空機の飛行実験を行いました。
同社は、災害発生直後に上空から迅速かつ長時間にわたり被害状況をリアルタイムで確認できる無人航空機の開発をしており、今回は実用化を目指した航続距離100kmの飛行試験のほか、市販されている無人航空機(ドローン)の高度1000mの高高度飛行と空撮試験を行いました。
小型飛行ロボットの自律飛行制御実験
- 実験団体:電気通信大学 情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 田中研究室
- 実験期間:4月28日から5月8日、8月8日から8月17日
近年、災害発生時などの極限環境の中でも空からの活用が期待できる無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle)が注目されています。同研究室では、スマートにミッションを遂行する自律飛行ロボット「スマート飛行体」の開発に関する研究を行っており、平成23年より大樹町で実験を行っております。
現在、田中研究室では、低速・低高度でも安全に飛行可能な「パラグライダ型UAV」、低コスト高パフォーマンスな「固定翼型UAV」、ホバリング飛行が可能な「垂直離着陸無人機VTOL」の3種類の機体を開発中です。今回の実験では、各機体の動作確認と飛行データの収集を行いました。
大気球実験
- 実験団体:JAXA宇宙科学研究所
- 実験期間:6月18日から8月10日
今年の大気球実験は、「気球VLBI(超長基線電波干渉計)実験」、「皮膜に網をかぶせたスーパープレッシャー気球の性能評価」、「成層圏における微生物捕獲実験」、「マルチクロックトレーサーによる大気年代の高精度化」の4実験を予定しておりましたが、期間中、気球の放球・飛翔に適さない気象が継続したため、4実験全て実施することができませんでした。
観測用ロケット「MOMO」2号機打上げ実験
- 実験団体:インターステラテクノロジズ株式会社
- 実験期間:6月30日午前5時30分
インターステラテクノロジズ株式会社(IST)による観測ロケット「MOMO」2号機の打上げ実験が6月30日に実施されました。MOMOは全長9.9m、直径0.5mで民間企業単独では国内発の宇宙空間(高度100km)を目指して打ち上げられました。打上げ実験は平成29年7月30日に続き2回目となります。
午前5時30分、多目的航空公園内に設置したパブリックビューイング会場で約700人の観客が見守るなか、カウントダウンとともに発射。離昇の4秒後、高度20mまで上昇したところで推力が途絶し、機体は落下、爆発しました。
ISTの発表によると、爆発後、機体は炎上しましたが、大部分は射場のコンクリート部分に残留しており、一部が周囲に飛散したものの、海や河川には到達せず、飛散物もIST職員により回収されました。
また、この爆発によるけが人はいませんでした。
災害対策用無線中継システム実証実験
- 実験団体:ソフトバンク株式会社
- 実験期間:4月19日から4月25日
複数の移動通信事業者の電波を同時に無線中継する機能を搭載するドローンを使用した実証実験が行われました。
この実験では、携帯電話やスマートフォンの位置情報サービスを複数の移動通信事業者の電波を同時に無線中継する機能を開発し、ドローンに搭載した無線中継システムを介して、それぞれの移動通信事業者のスマホとデータ送受信を可能とすることで、雪山に埋もれたスマホのGPS機能で取得した位置情報を捜索側のパソコンやタブレット等に通知し、遭難者が加入する移動通信事業者に依存することなくスマホの位置を特定できることを実証しました。
問い合わせ先
問い合わせ先 | 大樹町役場企画商工課航空宇宙推進室推進係 |
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住所 | 北海道広尾郡大樹町東本通33 |
電話 | 01558-6-2113(直通) |
FAX | 01558-6-2495 |
メール | uchu@town.taiki.hokkaido.jp |
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