2014年度実験実績等
ハイブリッドロケット打上実験
- 実験日:平成27年3月5日〜3月13日
- 実験機関:東海大学学生ロケットプロジェクト
- 実験内容:本年度の打上げでは団体の目標である高高度化に向けた、技術立証実験として、2機を開発し、打上げに望みました。
ハイブリッドロケット36号機(H-36)は、3/12に打上げられ、エンジンの酸化剤供給システムの刷新を図り、より安全で大型化を可能とするための基礎実験を行いました。
ハイブリッドロケット37/38/39号機(H-37/38/39)はパラシュート開傘時の衝撃値(オープニングショックと言います)の実測を目的とし、同じ機体・同じパラシュート・同じ開傘方式と条件を揃えてデータを取得することで、大型化して衝撃値がどの程度大きくなるかの指標となる値の回収を行いました。H-37は3/7、H-38は3/8に打上げを行いましたが、H-38がパラシュートが開傘せず、機体が大破してしまったため、H-39の打上げは断念せざるを得ませんでした。今後は今回取得したデータを解析して、8月に秋田県能代市(能代宇宙イベント)で打上げを予定しているロケットや今後の大型ロケットに活かしていくとの事です。
ヘリコプタ飛行技術の研究
- 実験日:平成26年10月20日〜10月31日
- 実験機関:JAXA 研究開発本部飛行技術研究センター
- 実験内容:航空公園において「ヘリコプタの後流計測」が行われました。この実験は、ヘリコプタの後流(後方にまわりこむようにできる流れ)により後続機や駐機中の機体(特に小型機)の姿勢が乱れ、飛行安全に影響を及ぼす事があるため、飛行安全向上に向け、ヘリコプタ後流の空間的広がりや挙動を計測する事を目的に実施されました。実験では、ヘリコプタを主に滑走路上で飛行させ、その後流をドップラーライダ(レーザレーダ)や超音波風速計で計測したり、煙を使って可視化を行いました。
【ヘリコプタ後流の可視化の様子】
JAXA 光検出デバイスLIDARXフィールド実験
- 実験日:平成26年9月22日〜10月3日
- 実験機関:JAXA 月・惑星探査プログラムグループ
- 実験内容:昨年もこの多目的航空公園において、11月末に打上げが予定されている小惑星探査機「はやぶさ2」のレーザ高度計(LIDAR)フィールド試験が行われました。(昨年の実験の様子)レーザ高度計とは、対象天体に向けレーザを発射し、天体表面で散乱して帰ってくるレーザ光を検出し、レーザ光の往復時間を測定することにより、探査機と天体表面との距離(高度)を測定する装置です。
今回実施されたLIDARXフィールド試験は、新たに開発した大きさ3mm四方のICチップ(LIDARXベアチップ)の性能チェックが主な目的です。このチップは将来の小惑星や月惑星探査機のレーザ高度計のために開発されています。
トライククラブ空界
- 実験日:平成26年8月25日〜9月3日
- 実験機関:トライククラブ空界
- 実験内容:トライククラブ空界は、多目的航空公園が整備された直後から毎年やってきてフライトを楽しんでいます。今年は天気にも恵まれ、フライトを楽しんでいました。
JAXA大気球実験
- 実験日:平成26年8月22日
- 実験機関:JAXA大気球実験班
- 実験内容:8月22日(金)午前4時27分に、大気球(B14-01)が放球されました。
今回の実験では、高度約40kmに達した気球からロケット型の実験機(BOV)を落下させ、微小重力実験環境を確保する技術と微小重力環境を用いた燃焼現象の観察のために放球が行われました。午前4時27分の放球後、予定どおり実験が行われ、約30秒間、微小重力環境を得る事ができました。
また、燃焼実験についてはカメラによる撮影にも成功しました。全ての実験を終えた気球・実験機器は大樹沖約35kmの海上に着水し、ヘリコプターと回収船によって回収されました。回収船は、今回の実験でも、大樹町の漁業者の皆さんの協力を得て運行されました。JAXA大気球実験では、地元漁業者の皆さんや、実験の準備などにおいては地元住民の方々が協力しており、JAXAと地元住民が一体となって取組みを進めている実験の一つです。今後、回収したデータを解析し、様々な分野で活用されていく予定です。
詳しくはJAXA<トピックス>
また、この大気球実験の裏側(準備)を「Taiki Aerospece News NO.14」で特集しています。是非ご覧ください。
飛行船型係留気球を用いた撮影・通信実験
●実験日:平成26年6月18日〜6月20日、7月5日〜7月7日
●実験機関:(株)スカイプラットフォーム
●実験内容:6月18日〜20日の3日間、(株)スカイプラットフォームは、航空公園において「飛行船型係留気球を用いた撮影実験」を行いました。同社は、大樹町内に機体組立場を有し、設計・製造から運用まで手掛けている会社です。
今回は大樹町にて製造した全長12mの機体下部にカメラを設置し、高度200mまでの間で映像を撮影し、映像の状態(ノイズ等)、船体とカメラの位置関係等を確認しました。実験は順調に進み、計画通り全ての実験(撮影)が終了しました。
また、7月5日〜7日までの3日間、同公園にて「飛行船型係留気球を用いた通信実験」を行いました。先の実験とは異なる、全長10.8mの機体に無線機器を搭載し、高度200mまで上昇させ、地上局との間で通信実験を行いました。沖から入る霧も実験時間には消え、当初予定していた全ての実験を終了しました。
同社代表の蛭田氏は、「航空公園という実験場を所有する大樹町に機体組立場を持てたのは、我が社にとって幸運でした。今後も、ここ大樹町をベースに多様な実験のプラットフォームとして、飛行船型係留気球の開発・製造・運用を行っていきたいと考えています。」と語っていました。
飛行ロボットの自律飛行制御実験
●実験日:平成26年4月25日〜5月7日
●実験機関:電気通信大学
●実験内容:電気通信大学は、4月25日〜5月7日まで飛行ロボットの自律飛行制御実験を実施しました。昨年度からハードウェア(コンピューター)を変更し、このシステムの検証を目的に実験が実施されました。
実験リーダーの伊藤唯さんは、「ハードウェアを変えた事で、より細かな制御が可能となり、自分たちが地上から送る指示に今までより早く制御ができるようになった。その一方、現状では対応しきれない部分もあるので、これらを今後改善していく必要がある」と語っていました。
最終的には、災害時等における活用を目標としています。
問い合わせ先
問い合わせ先 | 大樹町役場企画商工課航空宇宙推進室推進係 |
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電話 | 01558-6-2113(直通) |
FAX | 01558-6-2495 |
メール | uchu@town.taiki.hokkaido.jp |
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